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退職代行を使うのは「ゆとり」だから?データから理由を考察してみた【退職を伝える不安・データ】

退職代行サービスはイメージ的に、ゆとり世代の人が多く使っているというような意見も聞かれます。はたして本当に、退職代行サービスを使うのはゆとり世代が多いのでしょうか。

そして、ゆとり世代はどのような理由で退職代行サービスを利用するのでしょうか。その理由を考察込みでまとめてみたいと思います。

退職代行サービスを使うのは「ゆとり」だから?

「退職代行サービスを使うのはゆとりだからでは?」と言われることもある

「退職代行サービスを使うのはゆとり世代が多いのでは?」「ゆとりだから使うんだ!」との意見をみることがあります。これは、ゆとり世代が叱られたり怒られたりすることに耐性がないからでは、と考えられることが背景にあるようです。

ゆとり世代の特徴の1つに、競争をしないということがあります。順位づけをせずにそれぞれの個性を尊重しようという教育方針が理由でしょう。

順位づけをしないので比較されることがなく、できなくても叱咤激励されることがない環境で育つというケースもあったのではないかと考えられます。

そのため会社で嫌なことがあったり、仕事でミスをして叱られたりするとすぐに辞めるのではないか、というレッテルを貼られがちなのがゆとり世代です。

そして辞める時には会社側から何か言われるのを避けるために、退職代行サービスを使うのではないかと考えられるのでしょう。

退職代行サービスを利用しているユーザーは20~40代がメインである

実際に退職代行サービスはどのような世代が利用しているのでしょうか。それを調べるのに参考になる調査があります。

エン・ジャパン株式会社が運営している「エン転職」のサイト上で8,668名のユーザーに対して行ったアンケート結果があります。退職に関するさまざまな質問に関しての回答結果ですが、20184月に発表されたデータです。

この中に、「退職を伝えるときに不安なことは何か」という質問があり、複数回答ありとしたうえで25歳以下・2634歳・35歳以上の3つの世代にわけた結果があります。

その中で「退職理由をどのように伝えるか」に不安を感じると答えたのは次のようになっています。

  • 25歳以下 48%
  • 2635歳 39%
  • 36歳以上 30%
  • 全体 36%


次に「手続きなどがスムーズにいくかどうか」が不安だと答えたのは次のような割合となります。

  • 25歳以下 32%
  • 2635歳 27%
  • 36歳以上 21 %
  • 全体 25%


さらに「強引な引き留めにあわないかどうか」に不安を感じるとしたのは次のような結果になっています。

  • 25歳以下 24%
  • 2635歳 19%
  • 36歳以上 13%
  • 全体 17%


ほかにも質問の項目はありますが、実は以上の質問は退職代行サービスを利用する人が抱える悩みの中でも多い項目です。つまりこのような不安を抱えている人の中に、退職代行サービスを利用する人が多いのではないかと考えられるわけです。

調査結果をみると、世代が上になるほど不安に感じる割合は減っていきますが、全体と比較すると決して低くすぎる数字というわけではありません。つまり退職代行サービスを利用するのは、決して若い世代だけではないと考えられるのです。

ゆとり世代では無い人も多く使っている。

ゆとり世代と呼ばれる若い世代だけではなく、それ以外の人も退職代行サービスを使っている人は多いと考えられます。

これは上記のデータから、年代が上の世代の人も退職にかかわる悩みを抱えていることがわかるからです。そして年代が上になるほど、退職するのであれば早めに手続きを終えて、すぐに次の仕事を探さなければならないと思うのではないかと考えられます。

これは仕事の空白期間が長くなってしまうと、転職が難しくなるからです。またキャリア形成を考えるのであれば退職代行サービスを利用することで、次の仕事探しのことでも相談できるという理由もあります。

しかし退職するまでに手間取りなかなか会社を辞めることができなければ、転職活動もうまく行えませんし精神的な疲労も蓄積されていきます。

それを踏まえると、年齢が上の世代こそ積極的に退職代行サービスを利用して次の仕事探しに頭を切り替えようと考えるのではないでしょうか。

そもそも「ゆとり世代」とは?

ゆとり世代の明確な定義はありませんが、2002年度から2010年度まで実施されたゆとり教育を受けた世代を表します。

この頃に義務教育を受けたのは1987年度から2003年度に生まれた世代になるので(小学校へ入学してから中学校を卒業するまでに該当する世代)2019年時点では15歳から32歳ということになります。

退職代行サービスを利用するのはゆとり世代が多いのでは、という意見も聞かれますが、実際にはそうとは言い切れないことが先にご紹介したデータからわかります。

ゆとり世代が会社との繋がりをそこまで重視しない理由

とはいえ上記の調査結果からもわかるように、退職代行サービスを利用する人が抱える不安を持っているのは若い世代ほど多いというのも事実です。

つまり退職代行サービスを利用するのは、ゆとり世代と呼ばれる若い世代が多いということでしょう。

しかしそれは決して厳しい職場環境に耐えられずに、簡単に辞めるためとは言い切れません。ゆとり世代は単に会社との繋がりを重視していないというのが大きな理由と考えられます。

ではなぜ、ゆとり世代は会社との繋がりをそれほど重視していないのでしょうか。

理由1:会社は心の底から楽しい環境ではない

ゆとり世代が会社との繋がりをさほど重視していない理由に、会社にいることそのものが楽しいと思える環境ではないことが考えられます。

人によっては仕事に打ち込める会社にいた方が、家にいるよりもやりがいがあって楽しいと思うこともあるかもしれません。

しかしゆとり世代はそもそも、価値観が違う人と毎日接していることにストレスを感じやすいと考えられます。個性を重視する教育が、ほかの価値観を受け入れにくくしているのかもしれません。

学生の頃とは異なる会社ではいろんな価値観の人と一緒に仕事をしなければなりません。それがストレスを生み出す原因になるというわけです。

理由2:友人関係は足りている

昭和の時代は会社にいる時間が長く、そこで築き上げた人間関係でコミュニティを形成したものです。しかし現代はSNSを通して、会社以外の人と簡単にコミュニティを形成できます。

価値観が違う会社の人とわざわざコミュニティを作らなくても、価値観の合う人とSNSを通じて簡単にコミュニティを形成できます。職場も住む場所も異なる小学校や中学校の友人とでも、簡単に繋がり続けることも可能です。

またそのような気心が知れた友人と一緒にいるほうが、当然ながら居心地はよいものです。わざわざ会社の人と付き合い、パワハラやセクハラを受けるような飲み会などに行く必要もありません。

そのように居心地が悪いと感じる職場は、退職代行サービスを使えば簡単に辞めることができます。ゆとり世代と呼ばれる若い世代はそのように、自分が居心地のよい場所を求めるという理由で会社を辞めることも考えられます。

理由3:コスパが悪い

ゆとり世代はきわめて合理的に考えて行動します。会社とのつながりを感じることもないでしょうし、賃金が上がらないとわかればすぐに環境を変えて賃金が上がる見込みがある会社に移るでしょう。退職代行サービスはそのために利用するサービスにすぎないというわけです。

派遣社員の増加を見れば明らかなように、企業はどこも人件費を削減しています。ゆとり世代からすれば、賃金は上がらないのに年を重ねるにつれて責任が重くなることが納得できないと考えてもおかしくありません。

業務量も当然増えますし、そのような会社にフルコミットするのはコスパが悪いと考えても不思議ではありません。

理由4:人手不足で働く場所はいくらでもある

企業は人件費を削ってはいますが、人手不足は続いています。つまり若いゆとり世代にとっては、働く場所はいくらでもあるということです。

働く場所に困らないということは、満足できる賃金が得られる会社を探すのも苦労しないということです。

そのため、ひとつの職場にこだわる必要はまったくありません。そこで退職代行サービスを使ってすぐに会社を辞めても、次に働く場所はすぐに見つけることができます。

まとめ

退職代行サービスを利用する人の中で、ゆとり世代と呼ばれる人の割合が多いのは事実かもしれません。しかし、ゆとり世代の人は合理的に考え行動します。

会社に居続ける必要がないと考えればすぐに転職を考えてもおかしくありませんし、そのために退職代行サービスは便利に利用できるサービスであると言えます。

退職代行サービスを利用するのは割と広い世代にあることがわかります。しかし実際に、ゆとり世代が多いというのも事実でしょう。そしてゆとり世代は会社に対して、きわめて合理的に判断していると考えられます。

会社に対して恩を感じないのかという指摘があるかもしれませんが、それは的を得たものではありません。会社に留まることにどれほどの意味があるのかを考えたうえで、自分のために退職代行サービスを使うのがよいでしょう。

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